NHSで入院すると・・・(出産の話)

今日は乳癌の事からは少し離れて「NSHの病院で入院した経験」を少し話したいと思います。

と言うのはこちらの医療でいう無償で医療を提供する素晴らしい制度のNHSのどこが問題なのかという事を説明したいからです。

国民ならタダで医療が受けられる!なんて聞くと太っ腹、尊い事と思うのが普通なのですが、勿論お金の出所には制限があり、毎日多くの方が怪我をしたり病気になったりする訳です。

以前も書きましたが医療スタッフも使える予算も決まった中で、医療に従事している方は大変な重労働をしていると思うのです。なのでイライラしたりしている方もいらっしゃいます。(全員じゃないですよ)

しかもプライベート医療に従事する場合は(これは想像ですが)給料が良いのでお客(と言うと言い方は悪いのですが)である患者さんへのサービスもきちんと徹底されているのです。

今、がんの治療をプライベートで受けているので、違いを目の当たりにしている状態です。

さて、出産の話ですが・・・私は初めての出産の時に妊娠5ヶ月までは日本にいたのです。そして日本で少しだけお医者さんにかかって、それからイギリスに来て出産をしました。

日本との医療の違い、しかも当時英語が出来なくて、非常に困りました。

今考えると笑い話ですが・・・(^o^;)

少しずつそんな話をしていきたいと思います。

まずはイギリスの出産について話します。後で妊婦中の話もすると思いますが、取りあえず NHSでの入院とはどんな物かを分かっていただきたいので、その話をします。余計な話も混ざりますが・・・お付き合いください。

長男の出産のきっかけは最後のGPでの検査でした。GPとは家庭医でイギリスではまずはGPを通す事になっています。妊婦後半は週一でGPに行って聴診器で子供の心音を医師が聞き、尿検査で糖と蛋白の検査をします。それで何ともなければまた次の週。私の場合は両方とも++とかになっていたので、月に1回ぐらいは病院行き。毎回試験管に7.8本の血液を採られ、多分、妊娠中毒症じゃないかどうかを検査されていたんだと思います。

お医者さんはそのたんびに違う先生。今までの経緯を一から話す状態。と言うのは1人の先生でなく、医師団でコンサルトをしているようでした。偉い先生が一人ついて、その下に何人も先生が居るようでした。だから正直、自分に取って誰が主治医なのか分からずじまい。私に取っては出産に関してはGPのDr・M先生の方がよっぽど心の支えでした。

それから超音波について。こちらはね、日本と違って超音波なんて異常がなければ10ヶ月に2回しか取りません。12週のとき、そして後半に一回。

それまで日本で毎月必ず超音波の写真を貰っていた私は、あまりにもかまわれないでとても不安に思った物でした。
「首にへその緒が絡まったらどうするの~?」
とかね。

後で聞くと、超音波がベビーに良いか悪いかという事も分からないので、そう言った物は出来るだけ使わない、という主義だと聞きました。本当はお金をかけない合理的な治療なのかもしれませんが・・・。

予定日の4日前、最後の検診で当時の家庭医のDr.M先生(女性)が
「心音が聞き取りにくいわ。今、予約を取るのでRH病院に行ってくれない?」
と言うので何気なく病院に行きました。
と、心音を取るモニターを付けられました。素人の私にも分かるぐらい心音が落ちてきています(/TДT)/ もうね、看護婦さんの目が笑っていないの。で、いきなり分娩室に連れて行かれました。

しばらくして心音は戻った物の、心配なので今日産むって。。。なので暫く待っていたら陣痛が始まり、「おお!これは・・・」と思っていました。ところが子宮口が開かずにジェルを二回塗っても子宮口が開かない。

陣痛はあるのに子供が出れない。。。しばらくして医師が来て
「貴女には帝王切開という選択も出来ます」
と言うので
「自然分娩が良いです。」
と言うと変な顔をするんです。
「なんであんな顔するの?なんでか聞いて?」
と旦那にいって英語で聞いてもらうと
「赤ちゃんの心音にストレスのサインがあるのです。」

そんなの直ぐ言ってちょうだいよ(((( ;°Д°)))) 切るわよ、幾らでも\(*`∧´)/
ベビーになんかあったらどうするのさ~~。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。 

・・・こっちの病院はあくまでも患者に選択権を持たせます。

そんなこんなで緊急帝王切開。脊髄に麻酔をして手術台に。。。

全麻じゃないので意識はあるけど、夕方からの陣痛で疲れ果てていました。医師団は帝王しながらバイクの話をしていたそうな(旦那談)。あ、もちろんキチンと手術してくださっていますよ。その点は大丈夫。通訳代わりの旦那は横に座ってスプラッタな私のお腹の光景を見ているし、痛くはないんだけど結構乱暴に私の腹の中をグイグイと動かすお医者さん達。

あ~~~、今、内蔵動かしてるでしょう~~!お願~~い。丁寧にやって~~!!!

でも最後は私、イビキかいて寝ちゃったそうな。。。Zzz
無事手術も終わり、分娩室に旦那と2人で残されました。疲れきって寝る旦那と私。なのに誰もベビーを預かってくれない。旦那も隣で爆睡。長男はお腹が空いていたろうに、一晩中泣きっぱなしだったのではないかと思います。

日本は新生児室ってあって、赤ちゃんを預かってくれるんですって?ブドウ糖を飲ませたり。こっちはね、そんなのないんです。赤ちゃんは母親の横を離れる事はありません。ガラガラのついた棚の上にプラスチックの透明な箱が付いていて、そこに赤ちゃんを乗せるの。棚の中におむつだのお尻拭きだのを入れておく様になっています。その台の上に赤ちゃんを入れて、お母さんの横にず~っとおいてあります。帝王で動けなくてもね・・・。

あの頃は日本人丸出しで遠慮の固まりだった私。我慢ばっかりしました。

例えば緊急用のブザー。緊急用って言われているからよほどの事がないと押さないでしょう?普通は。。。
後から入ってきた若いお母さん。普通分娩の方(当日退院)だったけど、緊急用のブザーを押して看護婦さんを呼び
「私、これからシャワーだからベビーを見ていてね♪」と出て行ってしまいました。私は(え~!緊急用ブザーってそんな事で押していいの~?いいの~???)とビックリしましたよ、ホント。

私はと言うと・・・・
1日目に動けない私が看護婦さんに
「ベビーを取ってください」と言いました。タイミング悪くとなりのベットの人も何かを頼んだようで、看護婦さんは
「私の手は2つしかないのよヾ(。`Д´。)ノ」
と、怒鳴られました。

病院には色んなランクの看護婦さんがいます。トレーナーというの?トレーニングしている最中の看護婦さんもいるんです。

次の日は丸一日、下半身の動かなかった私。2番目の明け方、トレーニーの看護婦さんが間違えて尿道カテーテルを抜いちゃいました。

「私、これは入れられないの」と言うので、じゃあ朝になったら他の看護婦さんが入れてくれるのかな?と思いました。ところが朝になると看護婦さんは
「貴女、歩ける?」
「た、多分。」
「じゃ、1人でトイレに言ってみて」

言われるがままに、トイレに行く私。うん、なんとか歩けた。
ベットに戻ってなんとか座ると・・・給仕のオバちゃん、登場。

「ちょっと、貴女。そう、貴女よ!貴女歩けるの?」
「え?あ、なんとか。」
「そう、じゃあね、エクササイズの為に今からベビーを押してキャンティーン(食堂)に行きなさい!」

え、ええ~~~!この人、給仕のオバちゃんよねえ?看護婦さんじゃあないよねえ??なんで~~?

と心の中て強く思いましたが、いかんせん、英語が出来ないからまともな話も反論も出来ない。

「ヒアー、カット、カット」・・・となんとかお腹を指して歩きたくないと伝えてみる。が、強引な給仕のオバちゃん、譲らない。

「ダメダメ、エクササイズは大事なの。ほらほら。」

と言って実際に私を立たせ、ベビーキャリアを持たせて(押させて?)私の背中を押すオバちゃん。仕方なく言われた通りにする私。

が、流石に緊急帝王だった私は、ナース室の真ん前の部屋に入れられていました(回復したら他の部屋に入れられた。)ベビーキャリアを押しながら歩く私を見た看護婦さん達は一斉に立ち上がって

「ちょっと!!貴女、何してるの!!」

間抜けな事に英語の出来ない私は

「サ、サンバディー、カミング。シー、セッド、ゴー」

・・・何のこっちゃ。。。これじゃあ通じる分けないじゃん、と今の私は突っ込みたくなるけど、当時としてはこれが精一杯(爆)

何の事か分からない看護婦さん達はとにかく

「ねえ、分かる?貴女はお腹を切っているのよ!今はベットで寝てなくっちゃいけないの。だから、ね、ベッドに戻りなさい。」

だよね~~~!!!そう思ってベットにかえる私。
が、給仕のオバちゃんはまだいたんです。

「ちょっと~~!貴女ヽ(`Д´)ノ まだそんな所にいるの?あれほどアタシがキャンティーンに行けと言ったのになにしているのよ!」

ねえねえ、貴女は給仕のオバちゃんなんじゃないの?なんでそんな事言うの?抵抗しようと思って

「ナース、セッド、ノー、ノー」

ああ、悲しい。言葉が出来ないってこんなに悲しい事なのね(爆)

「良いのよ、私が看護婦には言っておくから!さ、早く」

オバちゃんは一体何者?ナースに言っておくって・・・なんでやねん?

また私を押し出すオバちゃん。

追い出された私を一斉に見る看護婦さん達。。。

「あ~な~た~ヽ( )`ε´( )ノ 何度言ったら分かるの?安静にしていなさいってば~」

ぎゃ~~、今度は看護婦さん達、怒ってるう~o(TωT )

「サ、サンバディー、カミング。シー、セッド、ゴー」

((((((ノ゚⊿゚)ノ もうね、これしか言えないの。。。ヽ(;´ω`)ノ

看護婦さん達はあきれ顔。

「分かったわ。貴女がお腹が空いているって良く分かったから。何か持っていかせるから、さっさとベッドに行ってちょうだい゛(`ヘ´#)」 

と言われてスゴスゴベッドに戻る私。私のせいじゃないのに。。。お腹も空いていないのに。。。

まだ流動食だと思ったら、トーストと紅茶が出てきたよヽ(;´ω`)ノ 今度はこれを食べろって言うの~?流動食じゃなくていいの??・・・食べたけどさ。。。

と、このように病院内で連絡がいき渡っていなかったり、資格を持っていない人も「自分の意見は正しい」と妙な自信を持っていたりします。(給仕のオバちゃんは明らかに資格なんかないと思う。)

その晩(帝王から2日目)長男が泣き止まず、4人部屋だった私は爆睡していたのですが、隣のお母さんが私を起こしました。
「赤ちゃんが泣いてるよ!」
と言うので仕方なく息子を乗せた台を押しながら夜中に廊下を泣きながら徘徊。ナース室の看護婦さんが
「どうしたの?」と聞くので
「泣き止まないんです。」
「ナッピー(おむつ)変えた?」
「変えました。」
「ナッピーよ、ナッピー」
(だから変えたって(-""-;) )

なんにもしてくれないのでまた廊下を徘徊。

しばらくするとさっきの看護婦さんが
「少し預かってあげる。貴女は粉ミルク?それともおっぱい?」
「おっぱいです。」

ああ、これで寝られる。。。。

30分経つと、また隣のお母さんに起こされる・・・。あの看護婦さん、本当にただ預かって15分かそこいらで直ぐ返したのね。。。本当に何もしてくれなかった。。。
そして徘徊again。
最後には疲れはててキャンティーン(食堂で)ぼーっとする。
そりゃあそうだよねえ、前々日にお腹切ったばっかりで一晩中廊下を徘徊だもんね~(-。-;)

明け方、違う助産婦さん(看護婦さんではない)が私を発見。
「(マタニティー)ブルーだわ」とのたまう。

そりゃ~~ブルーになるでしょう、この状況じゃあヾ(。`Д´。)ノ 
突っ込みたくなりました(爆)

でもね、この助産婦さんは原因を解明。きちんと授乳が出来てなくて長男はお腹が空いていたんだそうです。ここで初めて授乳指導。

ここまでは解決の兆しなんだけどね・・・次の日に報告を受けた助産婦さんはガッツリと長男の後頭部を鷲掴みにして授乳をさせるのでまた飲まなくなる。(後日、日本の育児書で読むと、新生児は後頭部を掴まれるのは嫌いと言う記事を発見(・_・;)。う~ん。)
そして
「ヘンねえ。貴女のおっぱいはパーフェクトなのに・・。なんで飲まないのかしら?このベビーは??」
と、仰っていました∑(-x-;) 

もうね、コメディーの台本がいくつか書けるなあって思っちゃいましたよ(爆)

2回目の出産時、やはり帝王になったんだけど、執刀医は
「24時間、水は飲まないでね。点滴が付いているから大丈夫だよ。どうしても喉が渇いたら、なめる程度にしておいて。」
と言われて(2回目は午後だったので、寝ぼけてないぞ!)それを守っていると、今度は看護婦さんが来て
「ねえ、カテーテルから尿が出ていないから水を飲んでちょうだい。」と言うので
「あのね、執刀医が24時間水を飲むなって言っていたんだけど、確認してくれないかしら?」(この時には少しは英語が話せる様になっていました。)

数時間後に、彼女はピッチャー一杯の水を持ってきて、コップについで私が飲むまで見張っていました。・・・あり得ないわ。

「知らないからね~」と思いながら水を飲みましたけど。

次の日の朝、執刀医が回診に来ました。

「先生、この点滴、外してくれません?ベビーをだっこしたりするのに邪魔臭いんです。」
「ああ、水を飲んでみて何のリアクションがなければ良いですよ。」
「じゃあ、大丈夫です。もう飲めるから。」
「ええ?!24時間水のんじゃダメって言ったじゃない?」
「でもね、オタクの看護婦さんが(無理矢理)飲ませたんです。私は先生の仰った事、伝えましたけどね。」
「・・・じゃあ、良いですよ。」(と言いながら凄く不機嫌)

しばらくして看護婦さんに点滴を外していいと言われたと言うと、
「あら、何か食べてリアクションを見てからでないと~!」

何でも良いから早くして、って思ったんだけど、今度はトースト持ってきたよ。2回目は流動食もすっとばしですか???

もうね、どうでも良いやって思っちゃいました。自己主張は当たり前のこの国。皆さん、自分の信じる道はまっしぐらです(笑)

結局、帝王切開では長男は5日で、娘の方は3日で退院しちゃいましたよ。家に居る方が楽なんだもん。

いや、決してNHSが悪いと言っているんではないのですよ!でもね、現状はこんな感じなのです。患者は私だけじゃないし、働いている人数は少ない。ケアーが薄くなるのは当たり前なんです。精神的ケアーなんかよりも医療を行う方が優先ですもの。

ただ、こう言う事はイギリス人でも思う訳です。なのでNHSを改善するべく、政府も政策を立てているようです。
確かに3年後の娘の出産の時には、施設も改善されて、看護婦さん達も優しかったです。もしかしたら2回目は英語が出来るようになって私の方が自己主張できる様になっただけなのかもしれないんだけどね。

それでもイギリスの病院には冷蔵庫がありません。(母の病室には冷蔵庫があった。)これだけは是非改善して欲しいんだけどねえ。。。無理かなあ??いやいや、みんな長く入院しないから必要ないのかもしれないけどね~~(爆)


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