マリアの話1~誕生日パーティーの思いで。

今日はお友達の話。マリアの話。

随分と昔の話になる。

今月13歳になった息子がレセプション(4~5歳)だった時の事。家には本帰国などで日本に帰る友人達から玩具を頂いたりして(今でもそうだけれど)整理しきれない程の物に囲まれて過ごしていました。

こちらでは子供が小さいときはみんな誕生日パーティーを大々的にします。教会や学校の体育館などを借りてエンターテイメントを呼んで、子供達の前でマジックをしたり、ディスコをしたり、笑わせたり。。。等々。そう言う会社があるぐらいです。幼稚園や学校では、クラス全員を呼んでパーティーをしたりしていました。

そんな訳で誕生日パーティーをすると、とんでもない量のプレゼントを頂きます。で、当時、招待状と一緒に、『お母さんが片付け下手だから、プレゼントを持ってこないで下さい』と書いた紙を配りました。

その晩、クラスメイトのNi君のお母さんのマリアが電話をかけてきて
『貴女、本当にプレゼントが要らないと思っているの?』と聞くので、
『だって、片付けられないんだもの』と言うと
『だったら50Pでも1ポンドでも,みんなに持って来てもらう様にお願いして,それを集めて貧しい国の子の為にチャリティーをすれば?』と言われました。

正直、私は戸惑って
『素晴らしいアイデアだけれど、私、いくら50Pでも人にお金を持ってくる様にとは言えないわ』と言ったら、
『そうよね、判るわ。でもねUme、世の中にはご飯も食べられずに死んで行く子供達が沢山いるのよ。そういう子供達の為に少しでも何か出来るのよ!!』と。

正直言って、うーん、そうなんだけれどねぇ、何にも出来ないし。と思いました。日本人の感覚で言えば「人にお金を要求する事は、たとえ人のためとはいえ恥ずかしい事」の様な気がしました。これが募金なら話は違うんだけどね。でもプレゼント代わりにお金ちょうだい、とは抵抗があってとてもとてもいえそうにありませんでした。

マリアを偉いなあと思う反面、こんな事言われてもなあ。。と思ったのが正直な気持ちでした。

丁寧にお断りしました。するとマリアが
『I'm sorry , Normally I 'm more positive, but at the moment I'm under the treatment of chemotherapy』
と言いました。英語の出来ない私は当時,その単語を知りませんでした。
『Sorry ,but what is chemotherapy?』と聞くと、
『あっ、ごめんね、言ってなかったけれど私今癌が再発しているの』と。。。。。

え?癌なの?「キャンサー」と言う英語だけは知っていた。

・・・私はショックを受けました。私が死と対面したら、人の事なんか考えられないし、もっともっと心が狭くなると思う。それが人間の弱さだと思う。マリアはそれでも見ず知らずの可哀想なアフリカの子供達の事考えているのか。

なんだかとても感動したんです。あの時。

So,I change my mind.

この年の息子の誕生日パーティーはマリアの言う通り皆にお願いしてチャリティをしました。

それから毎年、マリアに敬意を表して『プレゼントは要りません。もしお気持ちが有るのならその分を貴方の思うチャリティに寄付して下さい』と書いていました。息子と娘にも説明して。

「君たちは幸せな国に生まれて、幸せな生活が出来ているという事を分かっていて欲しいの。これが当たり前ではないんだよ。広い世界には、貴方達と同じ年の子が、ううん。もっと小さい子も、毎日ものが食べられなかったり,病気になったりして亡くなっているのよ。
 どうか、貴方達の幸せをみんなに分けてあげてね。貴方達はもう十分に色々な物を持っているでしょう?みんなが何かをくれるというのなら、その小さな幸せを他の子供達に分けてあげてね。」と。

彼らは他の子供はパーティーの度に沢山のプレゼントをもらっていても、自分たちは我慢してくれるので、親が満足のいくものを買ってあげています。(良いのか、悪いのか。)

もう、子供達も大きくなって誕生日パーティーなんて殆どしなくなりました。でも下の娘はまだするかな。でも今でも皆さんには「何かしら娘に考えてくださっているのなら、どうかその気持ちを何かのチャリティーの方に寄付をしてください。」と言っています。

マリアはとても喜んでくれました。そして「ありがとう」って。こっちの方こそありがとうって思いました。幸せの中にぬくぬくとつかっている私。飢餓も戦争もない国にいる私。災害にも天災にも遭わずにいる私。健康で五体満足な私。それだけで感謝しなくてはいけない事だって気が付かせてくれたマリアに。

そんな、マリア。抗がん剤中はオシャレに綺麗なスカーフを巻いて、綺麗にお化粧していたなあ☆

今は、私も乳癌になっちゃったけど、学校に行くときは
「カツラに前髪があるから見えないじゃん♪」
とか言って、スッピンのまま眉毛無しで外歩いているしσ(^_^;)
マリアの様に高尚な気持ちを持ち合わせていない,ちっぽけな私だけれど。。。。(-。-;)

マリアはそれから2年経ってから逝ってしまいました。私は彼女に教えてもらった事、沢山有ります。今も、続けています。マリア、ありがとう。 これからもマリアの思いは大切にして自分の人生に行かしていきたいです。


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この記事へのコメント

ぴこるる
2011年11月21日 12:48
マリアさんとの思い出は、カルチャーショック、、というか、素晴らしい出会いでしたね。日本人にはお国柄なのか、宗教観の違いなのか、なかなかあまり思い及ばない考えではあります。イギリスに住んでいるからこそ気付いた事ですね~。素敵なことですッ!!
2011年11月21日 14:12
とても素晴らしいアイディアだと思います!
マリアさんから受け継いだ思いはきっとうめちゅうさんのお子さんにも受け継がれていくんでしょうね。
アメリカも貧富の差が大きいので、この時期になると少しでも自分の出来る事をしなければと思います。

それから乳がんが最近分かったと言う、うめちゅうさんのお友達の事を思うと自分のなくなった胸が痛みました。
でもそのお友達もうめちゅうさんが近くにいてくれることですごく心の支えになっていると思います。
こういう出会いって必然なんだと思います。
まだ治療も続いて大変だと思いますが、お大事になさってくださいね。
Happy Holidays!
ayaya
2011年11月21日 22:49
素敵な方ね(^-^)
でも、なぜ神様は、そんな素敵な人を選んでしまうのかしら?と複雑な気持ちになってしまう(;_;)
考えてみれば、あたしも自分の事ばっかり
ぬるま湯に浸かってちゃダメなんだよね
2011年11月22日 07:16
>ぴこるるさん
本当にあの時は感動しました。マリアはカソリックだと思う。イギリスはチャリティーの国です。みんなチャリティー精神は身に付いていると思うけれど、それでも自分の具合が悪い時に人の事が考えられるなんて本当に凄いと思いました。
良い先輩がいるからさ。私も頑張らないとって思います。
ぴこるるさんも頑張っているよね♪私も自分に出来る事を探さないとなあ。。。何か,人の為になれる事が出来るといいな。。。
2011年11月22日 07:25
>ミライさん
何年かして,下の娘のパーティーの時に,娘の同級生のお母さんが「Ume,素晴らしいアイデアだわ!」と言うのでマリアの話をしたんです。友達は自分の息子の誕生日パーティーで,同じ事をしてくれました。こうやってマリアの意思が誰かに受け継がれていくのは良い事だと思いましたよ。
ミライさん、Niの事を心配してくれてどうもありがとうございます。彼女もこれからFECとタキソール。頑張ってくれるといいな。出来るだけ私が得た知識を伝えたい。良かった薬とか。それが彼女の治療の助けになると良いなって思っています。
明日、最後のタキソール!早くミライさんみたいにお祝いしたい♪家の旦那はミライさんの旦那様みたいに素敵なカードなんかくれないかもしれないけど、でも今とってもサポートしてくれるので感謝していますよ♪
アメリカはこれからThanks Givingですね!(イギリスはないのよ。)Have a nice Holidays!!
2011年11月22日 07:29
>ayayaさん
マリアは素敵な人でした。勇敢だし。本当に連れて行かないで,って思いました。でもね、生き様って心に刻み付けられるもの。私は忘れない。
ayayaさんはayayaさんのままで良いのよ♪多くの人がayayaさんのブログに励まされているよ♪

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